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糖尿病の症状とは
澤木 秀明 先生
[2017年06月13日]
  • 「とくに困っていることはありません(^^)」 「いたくもカユクもないし、私は大丈夫!!」 「言われてみれば、おしっこに行く回数は増えているかな?」 「体重が減って、喜んでいます(^^)」 「立小便をしたら、尿にアリが集まってきた。(><)」 「のどがよくかわくので、飲み物ばかり飲んでいます。」


    糖尿病の症状は高血糖による上記の症状と合併症による症状にわけられます。

    1型糖尿病では、とても高い血糖であることが多く、糖尿病の典型的な症状(のどのかわき、沢山のむ、カラダがだるい、体重がへる)を経験します。
    2型糖尿病では自覚症状が乏しいため、糖尿病の発見が遅れたり、治療の中断につながることがよくあります。

    最も多いのは「症状がありません」 すべては、実際に糖尿病の患者さんが経験された症状です。 糖尿病のやっかいなところは、症状がアテにならない点です。 病気の多くはご本人が実際に困っていることが多いです。
    糖尿病はご本人が自覚されていないのに良くない状態ということがあるのです。
    2型糖尿病の発見のきっかけ 55.8%の方が、糖尿病外来受診時、症状が理由ではなかったとの報告があります。
    症状が理由でない場合は、
    第1位 病院に行った時にたまたま 27.9%
    第2位 健康診断で  24.9%
    第3位 妊娠時の検尿で1.6%
    自分で尿を調べた 1.4%でした。
    患者さんにとっては、思いもかけず、糖尿病と伝えられたことになります。 治療の必要性が十分に理解できない場合が少なくありません。 納得できないと、糖尿病を治療せずに、ほったらかしにすることになります。

    糖尿病発見時の自覚症状の頻度 口渇(口のかわき)34.7%
    多飲・多尿 21.7%
    全身倦怠感 17.0%
    体重減少 9.4%
    異常尿臭 7.8%
    糖尿病合併症(視力低下、手足のしびれ、足のむくみ、うんだところが治りにくい)
    外陰部・ひふのかゆみ その他1.7%
    (意識がなくなる、足のだるさ、尿にアリがよる)

   (文献 三家登喜夫:糖尿病をみつけるために 日本糖尿病学会編:糖尿病の療養指導‘98,診断と治療 
    社,東京,1998,pp935-940より改変) と報告されています。

糖尿病と診断されても受診しない 未治療の状況で放置しておくと合併症が進む危険性があります。(><)
なぜ、通院されないのでしょうか。 患者さんにとっては
1) 症状がないので、必要性を感じない
2) 検査結果が悪いことは理解しているが、受診する時間がとれない
3) 病気になったことが、確定するみたいでいやだ!
4) 薬はイヤ!!
5) 医者がキライ!!
6) どこへいけばよいか、わからない!! (財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネットより改変) となっています。

ワンポイントアドバイス

自覚症状がなくても、放置せずに、適切なアドバイスをもらってください。

備えあれば、うれいなし 長期に高血糖状態を続けることなく、合併症をおこしにくい状態 を目指していただけたらと思います。 縁ある人に幸せな人生をおくっていただきたいと願っております。(*^-^)