上本町ぼく小児科

朴 永東 先生
アレルギー科 / 小児科
取材日:2017年06月07日
大阪市天王寺区 医療法人 上本町ぼく小児科 

プロフィール

朴 永東 (ぼく えいとう) 先生
経歴
平成 2年 奈良県立医科大学卒業
平成 2年 奈良県立医科大学附属病院小児科/高度救命救急センター/新生児集中治療部
平成 4年 八尾市立病院小児科
平成 5年 大阪府立母子保健総合医療センター血液腫瘍科
平成 8年 奈良県立医科大学小児科、輸血部
平成16年 米国フロリダ大学病理学教室
平成17年 大阪市立総合医療センター小児血液腫瘍科
平成22年 大阪赤十字病院小児科
平成25年 9月 上本町ぼく小児科開院
平成26年12月 医療法人 上本町ぼく小児科設立
資格・所属学会
● 医学博士
● 日本小児科学会専門医・指導医
● 日本血液学会専門医・指導医
● 日本小児血液・がん学会暫定指導医
● 日本小児血液・がん専門医研修施設研修責任者
● 日本小児血液・がん学会暫定評議員
● 日本造血細胞移植学会認定医
● 日本造血細胞移植学会評議員
● 日本輸血・細胞治療学会認定医
● 日本がん治療医認定機構認定医・暫定教育医
● 厚生労働省臨床研修指導医
● 日本小児アレルギー学会会員
● 日本夜尿症学会会員
● 日本医師会認定産業医
● アメリカ心臓病協会認定PALS provider(小児高度救命蘇生士)
● がん診療に対する緩和研修修了
● 新生児蘇生法講習Aコース修了
受賞歴・出版物
平成13年4月 第62回日本血液学会奨励賞受賞

「血液・造血器疾患」 New小児科学 南江堂
「DIC」 小児の小児治療指針第12版 医学書院
「検体検査-血液(骨髄・凝固機能検査)」 小児科診療(特集)研修医のための検査データの読みかた 診断と治療社
「骨髄検査」 小児科臨床(増刊号)小児外来の検査の要領と診断への活かし方 日本小児医事出版社
「脾形成不全性血小板増加症、脾機能亢進性血小板減少症」 小児特定慢性疾患治療マニュアル 診断と治療社
「Pearson syndrome」 診断と治療(増刊号) 診断と治療社
今回は、小児科専門医として白血病、小児がん、血友病まで幅広く診察されています上本町ぼく小児科の院長朴 永東先生をご紹介します。

患者の方に向けてメッセージをお願いします

20年間に渡り、日本を代表する小児専門病院で小児血液・がん領域を主とした小児科診療に従事してきました。
平成25年9月、「いつでも、いつまでも」子どもたちを傍で見守りたいと願い、大阪上本町で開院いたしました。
小児科全域の幅広い見識はもちろんのこと、最も高度な専門性が必要とされる小児血液・がん診療で培った知識と経験を活かし、予防接種・検診・子育て相談などの地域医療から、急性感染症・アレルギー疾患などの一般小児科診療、さらには白血病・小児がん・血友病などの専門医療にいたるまでまで、子どもたちに「最良の医療」を提供できるように努めます。
特筆すべきことは、当院は血友病診療に力を入れています。乳幼児からから高齢者まで55名の血友病患者さんをフォローしています。患者数は大学病院やこども病院を凌駕しています。

ドクターになったエピソードや開業するに至った思いを教えて下さい

医師を志した当初から、「子どもの病気を治したい。子どもの命を守りたい」と強く思っていました。「死」に直面する病気を患っている子どもたちに寄り添い救いたいと思い、専門を小児血液・がん診療としました。

病院・クリニックの特徴を教えてください。

当院の3つの使命① 「質の高い小児診療」を提供し「子どもの笑顔」を取り戻す
一般小児科医としての最も重要な使命は「子どもの笑顔」を取り戻すことです。「質の高い小児診療」を提供することにより、笑顔なく受診した子どもたちが一日でも早く治って笑顔を取り戻してくれることを第一に考えています。「質の高い小児診療」とは、何でも「風邪ですね」で片づけるのではなく、正確な診断と適切な治療に努めることです。当院は院内で末梢血液検査に加え生化学検査も可能です。その他、レントゲン、心電図、呼吸機能検査機器、簡単な耳鼻科の医療機器も取り揃えています。テレビCMで話題の高感度のインフルエンザ測定器も3台設置しています。

当院の3つの使命② 小児がん患者を「いつでも、いつまでも」支えていく
小児がんは今では8割、疾患によっては9割が治る時代になりました。現在、国内には約10万人、成人の600~1,000人に1人が小児がん経験者と推計されています。あまり知られていませんが、小児がんを克服した多くの子どもたちが、治療終了後、5年、10年経ってから晩期合併症に苦しんでいます。晩期合併症とは抗がん剤や放射線治療の副作用による、低身長や肥満・やせなどの成長障害、不妊などの内分泌学的障害、主要臓器機能への影響、不登校や引きこもりなどの心理・社会的な問題など様々なものがあります。更には近年、2次がんを発症した小児がん長期生存者の報告が相次いでいます。小児がん経験者の長期フォローアップが重要視されてきました。
当院には約150名の小児がん経験者と治療中の患者さんが通院されています。長期にわたりフォローするために「いつでも、いつまでも」門戸を開き、小児がん拠点病院などと連携しながら晩期合併症に対する必要な検査と治療が円滑におこなえるように努めています。

当院の3つの使命③ 血友病患者さんの「生涯にわたる」フォロー
当院は2歳から68歳までの55名の血友病患者さんの診療に当たっています。全国の血友病患者数は約6,000名で、近畿ブロックの小児血友病患者数はわずか約170名です。多くの小児科医は血友病患者さんを一度も診たことがありません。また小児科医として小児期の血友病患者さんを診療したことはあっても、血友病患者さんがその後どのように経過をたどるのかは知る由もありません。
初めて大阪市内の病院に赴任した頃は、大阪市内の小児血友病診療体制は悲惨な状況でした。多くの患者さんが適切な治療を受けていなかったため、重い関節障害に苦しんでいました。厚労省のQOL調査では、関節出血を繰り返すことにより関節障害が徐々に進行し、30代後半になると半数以上の血友病患者さんに歩行障害を認めています。
当院では幼少期から積極的に定期補充療法を導入することにより、関節出血の回数を極力減らし関節障害の回避を目指しています。また血友病患者さんとご家族が孤立しないように患者さん同士で悩みや不安を分かち合い支えていただけるよう患者会も設立しました。


推薦ドクターの声

希望の森 成長発達クリニック 望月 貴博 先生

小児科医としてより、私と同じでちょっと違う専門領域を持った先生として勧めさせていただきたいと思います。
血液腫瘍を専門にされていましたが、その中でも血友病の診療では大阪でもっとも熱心に取り組まれている先生です。

地域医療サポーター 江上 善章
朴先生は、小児科専門医として白血病、小児がん、血友病まで幅広く診察されています。