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赤いブツブツが出る皮膚トラブルの原因は?
藤井 公男 先生
赤いブツブツが出る皮膚トラブルの原因は?

Q>
70歳 男性。これまで皮膚病で悩んだことはほとんど無かったのに、ここ3か月間、腰回りやわき腹に、赤いブツブツが出て、夜眠れないくらい痒いです。皮膚科で「湿疹」や「皮膚の乾燥による皮膚炎」と診断されたので、先生の言われるようにスキンケアに気をつけて、副腎皮質ホルモンや保湿剤の塗り薬をきちんと塗っていますが、あまり効果がありません。副腎皮質ホルモンの内服をすると楽になりますが、薬を減らしたり、中止したりすると、すぐにブツブツが再発してきます。どうしたらよいのでしょうか。

A>

副腎皮質ホルモンや保湿剤の塗り薬で改善のみられない、強い痒みを伴う発疹が、3か月以上も続く場合は、「湿疹」や「皮膚の乾燥による皮膚炎」ではない可能性が高いです。
#1皮膚に寄生するダニの一種による「疥癬」
#2「自己免疫性水疱性疾患」という、皮膚に水ぶくれのできる病気の一種
#3「慢性多型痒疹」
などが考えられます。それぞれに治療のアプローチが異なりますので、正しく診断する必要があります。
この質問の方のように、高齢者男性で、腰回りやわき腹などに、あまりジュクジュクしない、赤いブツブツが出没するケースは、慢性多型痒疹であることが多いようです。この疾患の治療や診断に関しては、皮膚科医の間でも、統一した見解が得られておらず、診断の難しいケースもありますので、ぜひ経験豊富な皮膚科専門医を受診されることをお勧めます。