兵庫県立塚口病院

沼 眞喜子 先生
内分泌内科
兵庫県初の女性総合外来でご活躍中の女性医師
更年期障害は、こうして乗り切りましょう!!

プロフィール

沼 眞喜子 (ぬま まきこ) 先生
経歴
平成3年東京慈恵医大を卒業後
佐賀医大 麻酔科に入局
平成6年 当病院に赴任 内科医として勤務
趣味
家事が気分転換になり趣味です
今回は、兵庫県立塚口病院(以下当病院)の総合内科医の沼 眞喜子医師をご紹介します。 沼先生は尼崎市にある当病院の内科で、甲状腺と代謝内分泌を専門に一般外来と女性総合外来を担当されています。 更年期の症状について沼先生にお聞きしました。

病院・クリニックの特徴を教えてください。


【女性総合外来】
当病院では平成15年に兵庫県下で最も早く女性総合外来を設置し、週に2回 女性特有の疾患に対して内科および婦人科の女性医師による診察を完全予約制で行っています。
月経に伴う体調不良や更年期前後の内科的な病気相談であったり、更年期そのものに対する相談、どの科に相談すれば良いのか悩んでいる患者さんなどさまざまです。
年齢層も思春期を迎えた若年層から更年期さらに初老期の年齢層に至るまで幅広く診察・治療を行っています。


【人生80年の時代を迎えて】
平成20年、日本人の平均寿命は男性が79.29歳 、女性が86.05歳となり、男女とも過去最高を記録しました。
「人生80年」という言葉もこの平均寿命からき たもので、日本はまさに世界有数の長寿国です。そのため人生50年の時代は、更年期の悩みや更年期以降の病気は、さほど注目されていませんでした。
沼先生は、閉経を機に女性ホルモン(エストロゲン)の減少が脳や肝臓に与える影 響は大きく、更年期における女性の体の変調は、程度の差はあれ誰にでも起こる現象であり、その後の健康管理に注意が必要であるとおっしゃっていました。

まず更年期は前期・後期に区分されます。
1. 50歳前後の前期は、閉経後女性ホルモンが激減する時期で、その影響を受け自律神経失調症で、うつ状態になったり、さまざまな変調をきたす辛い時期 と言えます。
しかし、現在はホルモン補充方法や漢方療法などの治療で症状を軽減することができ、また、女性外来で話を聞くだけでも改善するケースもあります。
『性差医学』と言う言葉があるように、女性ホルモンの影響で女性の体調に最も際立った違いがでる時期であることを、理解してあげる夫や家族の存在は、 何よりも大切です。

2. 60歳以降の後期になると、アルツハイマー・認知症・精神病・肝臓病・動脈硬化・狭心症・骨粗鬆症などの症状が発症しやすい年齢になります。



【更年期対策】
更年期障害や更年期に関連した病気を軽減し、健康で楽しい生活を送るための対策です。

1. 高血圧や肥満などの原因となる生活習慣の改善が大切です。

2. 閉経前後の早期の時期に5年間女性ホルモンを補充し、エストロゲンの激減を緩和する対策です。 それにより、60歳以降の更年期の後期症状を遅らせる効果があります。

3. 40代後半になり、『最近疲れやすくなった』『体調が優れない』という自覚症状を感じれば一度、当病院の女性外来に早めに相談されることが大切です。

当病院は、『プレ更年期・更年期検診』を開設してホルモンの値を検査し、必要に応じホルモン補充治療をしています。
内科および婦人科の女性医師が連携しているので、さまざまな症状を早めに相談することで、患者さん自身も心の準備ができ、不安が解消されるだけでも更年期の症状を軽減する効果が生まれます。


推薦ドクターの声

大阪ブレストクリニック 高原 祥子 先生

沼先生は、非常勤のドクターですが、女性外来の中心の先生で、実は内科
全般に診れる方ですが、現在は内分泌内科からの診察がメインです。
穏和な先生で、話もしやすい良い先生です。

地域医療サポーター 江上 善章
更年期障害は、女性自身も初めて経験する劇的な体調変化のため、精神不安定になることも多く、更年期を無事に乗越えるためには、女性を取り巻く家庭環境も大切なファクターであると感じました。
ちなみに、アメリカの男性は、妻の更年期の時期を“exchange of life”とポジティブに捉えて優しく見守るらしいです。
また、女性外来があるように、阪大には、男性更年期の外来があるようです。 多くは退職や無理な配置転換などが原因で『うつ病』になり、夫に妻が付き添って来院するようです。
しかし、女性外来には、妻に夫が付き添って来院することは、ほとんど皆無らしいです。
このあたりは日本人と欧米人との文化の違いを感じてしまいますね。
沼先生は、今の仕事が楽しく充実されているご様子で、内科医で女性医師の立場から、女性の『体と心』に配慮したアドバイスをしていただける話しやすいドクターという印象でした。